島の生物たち(夜行性生物編)

 

昆虫界のスターといえばカブト虫。
島にも沢山生息してはいますが山に入って取りに行く事はほとんどありません。
島の山はカブトムシが好むクヌギ等の木がまばらにしか生えておらず、効率が悪いからです。では、どうやって採るかというと「灯火採集」という手段になります。

夜行性の昆虫の多くは「走光性」という習性を持っています。光を頼りに夜の暗闇を方向を間違えずに移動するための習性です。

ですが、その光は主に月の光を想定しており、街灯等のそれより強い光源があるとそちらに、引き寄せられてしまします。また月光の様に地表にほぼ平行に降り注ぐ光であれば良いのですが、街灯の様な指向性のある光では、虫たちは平行に進んでいるつもりで螺旋を描くように光源に向かって飛んでしまいます。

要するにこの習性を利用して、街灯等に引き寄せられた虫を採取するのが「灯火採集」です。

灯火採集では昼にはみられない色んな生物と遭遇できます。そんな訳で夜の島に繰り出し虫を集めてきました。

 

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クロゲンゴロウ

【解説】
全国的にも絶滅が危惧されるゲンゴロウの一種。裏側しか撮って無かったので種別名は推定。私も灯火採集でしか見た事がありません。

 

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ハサミムシ

【解説】
お尻にある大きなはさみがかっこいい細長小さな虫。しかしゴキブリの近縁というマイナスステータス。走光性というより肉食なので餌を求めて集まってきたと考えられます。

 

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ヤママユ

【解説】
正式な名称が調べてもわかりませんでしたが、斑紋や翼の形状からヤママユという蛾の一種だとおもわれます。口が退化していて羽化してから何も食べずに生き続けるなんか可哀そうな蛾です。名前のマユにある様に、幼虫の時には蚕の様に糸を出し繭を作ります。

 

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ツクツクボウシ

【解説】
小型のセミで名前の様な独特な鳴き声で鳴きます。島の突端の門倉岬等でよく鳴き声を聞きますが小さく、警戒心も強めなセミなので網で捕まえるのは難易度が高いです。

 

 

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オオフタモンウバタマコメツキ

【解説】
写真が暗かったので断定ははできませんが上記の種類のコメツキムシではないかと。ひっくり返すと死んだふりを行いしばらくすると首の関節をばねのように使って跳ね置きます。胴体を前後で挟むように手で持つとパチンパチンと首を動かすのでその様子が良く観察できます。

 

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カナブン

【解説】
明りの下ならどこでもいると言っても過言ではないポピュラーな甲虫。しかし真緑のアオカナブンだと地域によってはレアらしい。