誰もが一度は名を耳にした事があろう

「軍艦島」

 

島全体が巨大な廃墟として、廃墟好きの聖地といっても過言では

ありませんが、島内の構造物が老朽化し極めて危険なため

長らく一般人の上陸は禁止されておりました。

 

しかしながら、2009年(平成21年)4月22日島の南部に整備された

見学通路に限り、観光客が上陸・見学が解禁!

 

こりゃあ行かざるおえません。


上陸予約待ち数カ月の情報も聞きましたので

3か月前から上陸ツアーを予約。

 

2011年4月8日AM6:00

 

福岡大宰府IC出発。

福岡の西公園に桜を撮影する為に、ちょっと寄り道。

早めの出発です。

 

 

長崎自動車道「金立(きんりゅう)SA」でパン買って朝食。

 

食いながら車をかっ飛ばし、長崎市「女神大橋」のたもとに到着(画像右端)。

この橋から道を間違ってしまい、高速を降りてしまうはめに。

 

出発時間が決まっているので結構焦りながら下道を走り、

何とか出港30分前に無事長崎港に到着しました。

 

 

独特のデザインの長崎港。

入るといきなり軍艦島の模型がお出迎え。

因みに軍艦島は俗称。正式名称は端島といいます。

 

入って右側の窓口にて早速乗船手続き

軍艦島クルーズを主催する「やまさ海運㈱」

の窓口で出港手続きを済ませ、しばし待機。

 

 

5分程で出港案内があり、桟橋から停泊中の船の元へ。

「マルベージャ3」という船に乗り込みいざ出港!

船内のシートもあるのですが、2階のデッキにも座れるとの事で

せっかくなので風景が生に見える2階に座る事にします。

 

 

さっ・・・さみぃ!

船が動き出したら海風で体温がガンガン奪われます。私はジャケット

はおってたのでまぁギリギリ耐えられましたが、行く際はそこらへんも

考慮した方が吉。

ちょいと進むと見えてくるイージス艦。

173の数字の艦が、日本のミサイル防衛艦の基礎となっている

「こんごう」

以前のAIR聖地巡礼で舞鶴行った際に見た「みょうこう」「あたご」も

基本的には此の艦の姉妹艦、改良艦です。

奥の115の艦は超新鋭艦

「あきづき」

まだ就航もしてない開発中の艦です。

 

まぁ、語ればきりが無くなるのでこんな所で。

 

 

しばらく進み、左手に見える、「三菱重工業 長崎造船所」の「香焼工場

造船工場は長さ1,000メートルのドックをフルに生かした建造法で

LNG船、LPG船、大型タンカーなどを効率よく建造しています。

特にクレーンが無茶苦茶バカでかくて凄い迫力

 

そして、そのまま行きに車から見た女神大橋の下をくぐります。

 

 

 

神ノ島教会とマリア像。岬の突端の立像はとても神秘的。

マリア像はザビエル来日400年を記念したもの。

さらに進み伊王島大橋の下を通過。

さらに数分船にゆられると

おや・・・・・

あの見るからに異質な島影は・・・。

 

キタ━━━━ヽ(・∀・` )ノ━━━━!!!!

 

 

ゆっくりと近づいてくる廃墟群。

すでにwktk!

余談ですが、この島はホラー作家、貴志佑介先生の新作

「ダークゾーン」の舞台。

先生の作品の中では1,2を争う、読後感の悪い作品でしたので自分的には

イマイチでしたが、こうして生で見ると作中の場面がいちいちよみがえり、

なんかうれしい。

ちなみに画像の真ん中は作中でも重要な役割を果たす島唯一の神社です。

廃墟群を横目に桟橋へ。

ちなみに、このツアーは天候や波の状況によっては上陸できないことも

あります。年間100日くらいしか上陸できる日がないそうですが

今回はベタ凪晴天!

       

 

 

と、まぁ小ネタを挟んだ所でいよいよ接岸。

「ドルフィン桟橋」という接岸部分は流石に新しく、しっかりしてます。

でも、この橋はすでに3回も台風で破損しているそうです。

この島をとりまく厳しい環境が分かります。

 

 

停泊後船員さんの指示に従い、タラップを降り進むと

ちょっとした暗渠を潜り抜けます。

視界が開けるといきなり雰囲気抜群の廃墟群がお出迎え

これは上陸して右手に見える、小中学校跡。

こちらは左側に見える光景。石炭を選別したりする施設の跡です。

 

 

左画像の崖がこの島の本体。

というのも島の2/3が人工的に拡張して作られた土地です。

真ん中は水道管。崖上に貯水槽があります。

川はおろか雨水もろくに溜められないこの島では

水は大変貴重。大事に使っていたようです。

 

こんな風に見学路が設けられています。全長は100M位かな。

その間に見学出来る広場が三つ。

10分程ガイドの説明を受けて第二の広場へ。

 

昔の倉庫と事務所の跡。赤レンガが良い味出してます。

左上にちょろっと写っている灯台はまだ生きています。

 

 

いよいよ最後の見学広場へ

此処から見えるのは、1916年(大正5年)に建てられた

日本で最初の鉄筋コンクリート造の集合住宅「30号棟」

危険で入れない島裏のビル廃墟群の一端に触れられます。

 

名残おしいけど、此処で島内見学は終了。

船に乗り込み島を離れます。

帰りは島を一周し全景を眺めながら帰港するルート。

まさに「軍艦」のアングル。

当時三菱重工業長崎造船所で建造中だった日本海軍の戦艦

「土佐」に似ているとして「軍艦島」と呼ばれたといいます。

またアメリカ海軍の潜水艦が見間違えて魚雷を撃ち込んだ

との逸話もあります。

島裏のビル群。人口が最盛期を迎えた1960年(昭和35年)には

5,267人の人口がおり、83,600 人/km2と世界一の人口密度。

炭鉱施設・住宅のほか、小中学校・店舗・病院・寺院・映画館・理髪店・

パチンコ屋・雀荘・スナックなどがあり、島内においてほぼ完結した

都市機能が備わっていました。

数十年でここまでぼろぼろになるのは、この島を取り巻く厳しい

環境によるもの。天候が荒れた時は島を超える程の波が

叩きつけられるそうです。

つわものどもが夢の跡。

廃墟の寂寥感は中々味わえない感覚。

さよなら軍艦島。

長崎港に無事帰港。こんなんもらいました。

 

折角なんで帰る前に港にそのまま車を置いて、

徒歩で中華街へ飯を食いに行きましょう。

かの有名な出島跡。すっかり街の一部になってます。

肝心の料理の写真、撮り忘れた・・・・orz

 

てな感じで探訪完了!

 

軍艦島は世界遺産登録とか文化財としての保全案は出ていますが

具体的な修繕策は今のところなく、あと数十年もすれば廃墟群も

おそらく崩壊するでしょう。

 

気になった方は、貴重な姿を拝める今の内にイクベシ!

 

軍艦島探訪

 ~ 完 ~

 

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